今、ノンフィクションが熱い
以下の本は、5点満点で全て4.5点以上はあげちゃいたい良書。
- 作者: ロバートゲスト,Robert Guest,伊藤真
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
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「エコノミスト」の記者が経済的側面から論じるアフリカの今。アフリカの貧しさの一番の理由は、強欲で国民から搾取することばかりを考えている、あるいは無能で有効な政策を実施することができない政府のせいである。必要なのは、まともな政府と法整備。それさえあれば後は市場の原理がまあなんとかしてくれるだろう、というのが著者の主張。
また、本書にもあるように政府が腐敗しがちなのは「部族主義」「縁故主義」あたりの社会的伝統も一つの原因であるとすると、そもそもそれらの小さな集団で成り立っていた社会を「国家」という大きな集団に組み直したヨーロッパ列強の罪というのはやっぱり大きいよなーと思う。同様のことは中東でも起こったのだけど、あちらはイスラムという共通の価値観と、オイルマネーという莫大な収入があったのでなんとかまともに運営できた、ということだろうか。
9・11生死を分けた102分 崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言
- 作者: ジム・ドワイヤー,ケヴィン・フリン,三川基好
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/09/13
- メディア: 単行本
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9.11の際にビル内にいた人々への徹底的なインタビューにより得られた個々の情報をまとめることで全体像を描き出したドキュメンタリー。事実は小説なりも奇なり、というか、ドラマティックなり、というよい例。
それと同時に、建築・消防・警察各当局の危機管理のまずさにより被害が拡大した面もかなり強調されていて、それらを補ったのが「ビル内にいた勇敢な民間人」であるという、知られざる英雄譚でもある。
翻訳の堅さと構成の複雑さが評判悪いみたいだけど、個人的にはそれも「ドキュメンタリー感」を強めていて良かったと思う。
- 作者: 松本仁一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/07/04
- メディア: 文庫
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- 作者: 松本仁一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/07/04
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その優れた設計により、誰でも使える・どこでも作れる、ということで世界を変えた(かもしれない)「カラシニコフ」を切り口として第三世界をみるルポルタージュ。
設計した銃が世界各地での紛争・内戦で多くの人を殺している事実を問われ、「自分はただ国を守りたかっただけ」と答えるカラシニコフさんの言葉が印象的。
- 作者: リチャード・パイプス,飯嶋貴子
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2007/02/08
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一時は世界を席巻しかけた思想のことを何も知らないのはいかがなものか、と思ってとりあえず読んでみた。ソ連という共産主義国家がどのように成立し、どのようにアメリカと渡り合う超大国になり、どのような矛盾によって崩壊したか、そのあたりが非常にわかりやすく書いてあった。一応この本の結論としては、共産主義は理論自体に矛盾を含んでいるため、その失敗は必然、ということになっている。
- 作者: レイセスター・コルトマン,岡部広治
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: 単行本
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キューバに行く前に読む予定だったのだけど、結局今更読了。数限りない事実を積みあげることで、読者自身が自分なりのカストロ像を持つことを可能にしてくれているように思われる。とはいえ、ところどころ「それって主観じゃないの?」という内容があたかも客観的な事実であるかのように書いてあったりするので、若干注意が必要かもしれない。
自分としては、やっぱり歴史に残る偉大な指導者である、と思う。
「24」で好きなキャラとか決定権とか
最近次シリーズの話題も出てきて相変わらず好調な「24」、シーズン6まで全て観た。主人公のジャック以外にもいろいろと濃いキャラクターが登場するので各人好き嫌い分かれるところかと思うけど、自分がシリーズ通じて非常に好きなのが「大統領首席補佐官」。
(ドラマ上の)初代マイク・ノヴィックから政権交代にともないトム・レノックスへと人物は変わるものの、果たす役柄はほぼ同じ。明晰な頭脳と冷静かつ冷徹な判断力で大統領を支え、と思いきや、国のためにやむなしと思えば大統領さえ陥れる(でも人として最後の一線は越えないという最低限のモラルは持っている)、というこのポジションと能力と性格が、自分にとって理想的。
とまあここまでは良いのだけど、ここから先は少々後ろ向きな話になる。「首席補佐官」という役職が決定的に素敵なのは、自分の組織に対して強力な決定力を持ちつつ、かつ最終的な決定に責任を負わない、というところ。
今の会社では誰がどう見てもNo.2のポジションで、年を重ねるに従い決定力、というか正確に言えば決定権に対する影響力は増す一方。1〜2年くらい前まではその状況にはただ満足だったのだけど、最近はその弊害として、事実上自分が決定を下したと思われる事案について、その判断がどうやら間違っていたらしいと気に病むことがしばしばある。「事実上」と書いたのは、会社組織である以上あらゆる意味で最終責任は社長にある、という理由にすぎず、まあ早い話が自分の責任と言わざるを得ない。
幸いそれを責めるような人は社内には誰もいないし、常に正しい判断をすることなんてできないので、誤った判断をしてしまったならば途中でできる限りの軌道修正をして、正しい判断がもたらしたであろう結果に寄せていく、あるいはそれも難しければ失敗から学ぶ、ということを考えるしかない。
ただし、「軽率な判断をしてしまった」というケースにおいては心情的に上記のような妥協が許されないため、内心結構凹んだりする。なので、今後、仕事においても私生活においても、決定権あるいはそれに近い権利を行使するにあたり、それだけは起こらないよう肝に銘じておこうと思う今日この頃。
とはいいつつも、昔CMプランナーの岡康道氏が言っていたように、「"考える"という行為は基本的には辛いこと」なのであって、人は(自分だけではないと思いたい)ちょっと気を抜くとすぐに軽率な判断を下してしまうのである。この言葉の意味するところは、「よく考える」ためにはかなりの努力が必要である、ということで、人生において大切にしたい言葉の一つだったりする。
楽しい仕事と楽しくない仕事
今日は急ぎの仕事もないくせに会社に泊まってiPhoneアプリを開発中。
iPhoneアプリを作るのがそんなに面白いかと問われれば、実はそれ自体は特別面白いことではないのだけど、これまで自分がやってきたジャンルと全く違うアプリケーションを作れるので、自分のスキルの広がりみたいなものをものすごく感じるところが楽しい。あと、Objective-Cも(というかそもそもCも)Cocoaも同じプログラミングとはいえ0からのスタートなので、知的好奇心も超絶満足。
一応専門と言えるPHPに関しても、新しいフレームワーク(まあAgavi-0.11系のことですが)をドキュメントやらソースコードやらを眺めて攻略しながらサイトを作るのは非常に楽しい。一方、使いなれたフレームワーク(まあAgavi-0.10系のことですが)だと、その分ルーチンワーク的になってしまう部分が大きくなるので、場合によっては案外楽しくなかったりする。
しかしながら、どう考えても、慣れた道具を使って効率よくやる方が会社にとっては「よい仕事」なのですね。この矛盾はなんとか解決できないものか。
年賀状
例によって姉のために作った年賀状。
自分の年賀状は何年も出していないのだけど、姉用のものは2003年から欠かさず作って(作らされて)いる。今年は余裕がなかったので30分で素材を探して30分でデザインした。そのわりには好評で心情的には結構微妙。まー例年より時間をかけていない分お金(素材代)はかけているってことで。
ちなみに、「牛横断注意」の標識はどうも地域によってバラバラで、数限りなく種類があるようだ。このページの標識を見るに、今回使った標識は非常にデザインが優れていて、たまたまこれがロイヤリティフリー素材として販売されていたのは幸運だったと言えよう。
FormPopulationFilter のバグっぽいもの
severity が INFO / SILENT / NONE なエラー(エラーメッセージを出力したくない)も insertErrorMessage してしまうようだ。これじゃ AgaviOroperatorValidator が使い物にならない!というわけで、AgaviFormPopulationFilter.class.php の265行目を、
$allIncidents = $vm->getIncidents(AgaviValidator::NOTICE);
396行目を、
foreach($vm->getFieldIncidents($pname, AgaviValidator::NOTICE) as $incident) {
に修正。これで期待通りの動作といえる。ちょっと余裕がないのでこうしてしまったけど、FormPopulationFilter のパラメータとして severity の閾値を持っているといい感じかと思います。
ちなみにバージョンは 0.11.5。1.0系でどうかは未確認です。