引き続き、村上龍

ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 (幻冬舎文庫)

ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 (幻冬舎文庫)

前作「5分後の世界」と同じアナザーワールドを舞台とした、第2作。相変わらず戦闘描写がすごいことになっています。前作では生存する意思とそのための力を持たない人たちも、それなりにダラダラと生き延びることは許されていたのに、本作ではそれすらも許されないという、さらに徹底した主張がこの架空の世界観を使って繰り広げられています。きびしー。


愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)

愛と幻想のファシズム(上) (講談社文庫)

愛と幻想のファシズム(下) (講談社文庫)

愛と幻想のファシズム(下) (講談社文庫)

超名作だけど、「狩猟社」が私設軍隊と高度なデジタル技術を手に入れることによって万能感が全開になってくると、強さがインフレを起こしたゲームみたいで緊張感がなくなってくるのが微妙に惜しい感じ。とはいえ自分の知るフィクションの中ではかなり最高傑作に近いと思います。


希望の国のエクソダス (文春文庫)

希望の国のエクソダス (文春文庫)

大枠は「愛と幻想のファシズム」と同じく、旧世代が作り上げたシステムへの反抗を描いた作品。やはり、革命軍が力を持ちすぎたところで緊張感がなくなって少々ダレます。


イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)

イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)

作者あとがきが必見。村上龍という作家はそういう使命感を持って小説を書いているのだな、と初めて知りました。